【風景印旅レポート】古代遺跡がザックザク!茨城県石岡編
茨城県の高浜郵便局で、11月2日からめずらしい形の風景印押印が始まる情報を得ました。
意匠図案説明には、
霞ヶ浦から見る筑波山、霞ヶ浦に生息する鯉、関東第二の大きさを誇る前方後円墳の舟塚山古墳を配す。
日本郵便HP 高浜郵便局風景印紹介より
とあります。
食パンのような独特の形は、どうやら前方後円墳を表しているようです。

古墳について、私の知識は中学の歴史の授業で止まっています。
正直なところ、ぱっと頭に浮かぶのは大阪府堺市の「仁徳天皇陵古墳」だけ。
あとは全国各地に小さな古墳が点在していることくらいは知っていますが、茨城県に古墳があるという話は聞いたことがありません。
風景印に採用されるということは、結構規模が大きな名所なのでしょうか?
高浜郵便局を調べると、JR常磐線高浜駅から1kmほどの場所にありました。
住んでいる街から電車で2時間くらいで行けることも分かったので、ふらり日帰り風景印旅に出かけることに。

まず初めに高浜駅隣のJR石岡駅で下車しました。
古墳について詳しく学べる場所があるそうで、先にそちらへ寄ってみることにしたのです。

早速、石岡駅西口を出てすぐの石岡市観光案内所でレンタル自転車を借りました。1日300円でとってもリーズナブル! ちゃんと電動付きです。

向かったのは石岡市立ふるさと歴史館です。
古墳や文明土器関連の資料がたくさんあり、ボランティアの方が説明をしてくださると聞きました。
建物は石岡小学校の敷地内にあります。校門を入ってすぐの場所です。

中には石岡市で出土した文化財が、詳しい説明つきで丁寧に展示されています。
石岡小学校の子供達がいつでも郷土について学べる環境が揃っていて、大変すばらしい!



教科書で写真だけ見るのと、実物を目にするのとでは、記憶の残り方に差が出ます。
こういう物がどんどん出土する土地というのも凄い話です。
地面を掘って遊んでいたらウッカリ見つけてしまった、そんな小学生もたくさんいる気がします。

地域ボランティアのTさんが、私を担当してくださいました。
いただいた詳しい説明をまとめると、
● 石岡市周辺は霞ヶ浦があるので古くから「肥沃な低湿地帯」であり、集落が多く存在した。
● よって人もたくさん住んでおり、ヤマト政権の軍事・経済における重要地点であった。
● 石岡市で現在も出土する墳墓・土器・石器類は弥生時代〜古墳時代のもので、茨城県下最大規模の「舟塚山古墳」は西暦400年ごろのもの。
…ということだそうです。
うなずきながらメモを取っていると、Tさんから「今日は天気も良いですし、よかったら現地に行ってみませんか?ご案内しますよ」と、大変ありがたいご提案が。
「えー!お忙しいのに。そんな申し訳ない!」と口では言いつつ、それを断る謙虚な私ではありませんでした。
そんなわけで「舟塚山古墳」と、その近くにある「愛宕山古墳」を、Tさんのガイド付きで見学させていただくことに。
古墳地帯は公園になっているのかな?と思いきや、畑が広がる田園地帯の中にドーンと存在しています。
↓石岡市HPに、上空からの写真が掲載されています
http://www.city.ishioka.lg.jp/page/page001404.html
畑の中の道を歩いて古墳に向かいます。
それにしても、なんとのどかな風景…。
こんな景色の中で毎日生活できたらステキだなー。
最近、田舎暮らしに想いが募る私です。

突然、明らかに「普通ではない」丘が目の前に現れました。
縦にながく、広範囲に盛り上がっています。
これが「舟塚山古墳」です!
墳丘の長さ186m、前方部の高さ10m、後円部の高さ11m。
茨城県最大の古墳で、東日本でも2番目に大きいそうです。これは圧巻!!!

「後円側から上がってみましょう」とTさん。
古墳のそば小さな林の中があり、鳥居と祠が中に見えます。
その傍を通って古墳の上に上がりました。



かなりの急斜面で油断すると転げ落ちそうですが、快晴だったこの日、のぼっている最中も古墳の稜線がとても美しかったのでした。

前円側の一番高いところに立ってみました。
あらためて、その大きさを痛感。
これがお墓だなんて、主はとても大きな権力を持っていたんですね。
ちなみに埋葬者は、ヤマト政権の東国支配確立に重要な役割を果たした人物(茨城国造)と推定されています。

「勉強のため子供たちを連れてくるとね、もう走り回っちゃうんですよ。
お墓だからしずかに!って言ってもダメだね〜」
と、嬉しそうにお話されるTさん。
でも、子供たちの気持ち分かりますよ。アラフォーの私だって走り回りたいです。

茨城県のシンボル「筑波山」も見えます。
男体山と女体山、2つの峰がくっきり。

古墳独特の段差が分かるところを、Tさんが教えてくれました。
一人で来たら、こういうポイントには気付きにくいもの。
文化財を見るときは詳しい方がいてくださると、楽しさが一気に倍増します。

続いて、舟塚山古墳から約300mほどのところにある「府中愛宕山古墳」も見学します。
こちらも前方後円墳です。

全長96m、後円部高さ8.5m、前方部高さ7.5m。
舟塚山古墳よりは小さいですが、段差の特徴もしっかり分かる立派な古墳です。
6世紀初め頃に作られたものだそうです。

こちらは民家にも隣接していました。
家の隣が古墳だなんて、なかなか自慢できないことです!
家の中から景色はどんなふうに見えるんだろう?

あ、ここからも筑波山が。
きっとあの山は、太古からずっと存在しているのでしょう。
墓の主もまたこの景色を愛し、「ぜひ眺めのよい場所に」と考えたのかもしれません。
古代の人もここから同じ風景を見ていたのかも?と想像すると、感慨深いものがありました。
石岡市には遺跡や古墳がまだまだたくさんあるそうですが(未知のものを含め)、今回訪れた2つの古墳が代表格だそうです。
そこから一番近い郵便局が「高浜郵便局」というわけです。
なるほど、これば確かに古墳を絵柄に採用しますよね!
TさんにJR高浜駅まで送っていただき(本当にお世話になりました)、高浜郵便局に向かいました。
歩いて20分ほどでしょうか、霞ヶ浦の景色も少し見ることができました。

こちらが目的地、高浜郵便局です。
瓦屋根のステキな郵便局。
局員の皆様も親切で、キレイに押印してくださいました。ありがとうございます。

「筑波山から望む関東平野」の切手と合わせてみました。
この印のデザインは、あの壮大な名所である古墳を「風景」ではなく「外枠」に採用しているところが、素敵なアイデアだと思うのです。
特徴ある前方後円墳ラインの内側に、茨城のシンボル「筑波山」と「霞ヶ浦」の景色をいれるだなんて、発案者の方はとても自由で楽しい発想力をお持ちです。
下から飛び出す鯉も、愛嬌があって可愛らしい。
日付の位置も良いな〜(魅力を挙げるとキリがないです)。
そんなわけで新印深ボリ旅を大いに満喫したのですが、実は石岡駅で下車した時、石岡郵便局にもサッと立ち寄って、こちらの風景印もいただいてきました。


目に止まったのが、手前の「栗」でした。
局員さんにたずねると茨城県は栗の名産地で、なんと全国1位の生産量!
石岡市も代表的な栗の産地なのだそうです。
お土産はご当地の名産品に限りますから、茨城県の栗(石岡産を使った商品を見つけられなかったので、笠間産ですが…)を使ったどら焼きをセレクト。
ついでに同じく名産品のさつまいもを使ったプリンと、焼き芋も買いました。

⭐️ 志ち乃 マロンムースどら焼き
どら焼きの皮の中に、丁寧に裏ごしされた口当たりなめらかな栗クリームが入っています。「和風モンブラン」って感じで甘すぎず、日本茶にも良く合いました!
【志ち乃のどら焼き】
http://www.shichino.jp/dorayaki/index.html
⭐️ ポテトかいつか 焼き芋プリン
濃厚で甘みたっぷり!
味はプリンというより、焼き芋そのもの。
焼き芋をとてもなめらかにした感じです。
【ポテトかいつかの、焼き芋プリン】
https://www.kuradashi-yakiimo.com/shop/g/gP1001/
⭐️ ポテトかいつか 焼き芋(紅天使)

すでに焼いてあるので、レンジでチンしてすぐ食べられる、ホクホクお手軽スイーツ。
皮をむくときはヤケドにご注意!(フォークで簡単にむけます)。
素材そのものの、体に優しーい甘さに心満たされます。
気がつけば3本一気に…。

【ポテトかいつかの、焼き芋(紅天使)】
https://www.kuradashi-yakiimo.com/shop/c/c10/
寒くなってくると、芋栗ってどうしてこんなに美味しいんでしょうね。
この時期は健康とか服のサイズとか、そんなものをすべて捨て置いて、欲望のまませっせと口にものを運ぶ私です。
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